第101回 自動車保険: 保険会社によって料金が大きく異なる理由

 自動車保険の見積もりを数社で比較した事のある人はお分かりだと思いますが、会社によって料金が大きく異なります。時には数千ドルも開きがある場合があります。なぜこのように料金が大きく変わるかご存知ですか?保険会社は保険のプランを作成する際に、ターゲットとなる客層を設定します。大きく分けて、Preferred(優良運転者用)、Non-Standard(運転歴が悪い・浅い運転者用)、Standard(前記2つの中間)というプログラムがあります。
 Preferred用では、運転歴が良い人達には料金がかなり低く設定され、長期で加入してもらうのが目的です。家屋保険やアンブレラ保険に加入すれば更に割引され、他にも色んな割引をして良い顧客を獲得しようとします。 Preferredでは、継続率が高く、安い料金で長期間で加入してもらう事によって安定した収入を得るのが目的です。
 Non-standard/Standard用は、Preferred用に当てはまらない顧客用のプログラムです。事故率が高い顧客を対象としていますので、料金は高く設定されています。分割払いをする顧客も多く、継続率も低いので、分割手数料も高めに設定されております。
 Preferred用では、ガイドラインに沿わない顧客は引き受けを拒否し、良い運転者のみ引き受けをします。Non-Standardでは、どんな顧客でも引き受けをしますが、優良運転者が加入する場合にも料金がかなり高額です。
例)車2台、運転者2人、2人とも優良運転者 (年間保険料)
 Preferred A社:$1800.
 Preferred B社:$2000.
 Preferred C社:$2300.
 Non-Standard D社: $3000.
 Non-Standard E社: $4200.
 Non-Standard F社: $5400.

このように大きな開きがあります。Preferredの中でもA社が常に良い料金を出す訳でもありません。住所、車種、年齢、走行距離、その他適用可能な割引などによってBやC社が安くなる事もあります。保険会社はそのプログラムの収益状況によって料率を随時変更していきます。特定の保険会社が常に一番良い料金を提示するとは限りません。定期的に見直しをする事をお勧めします。保険を選ぶ上で、料金だけでなくサービス面も重要ですので、総合的にみてから判断する事をお勧めします。