第28回 自動車保険 - Uninsured Motorist (無保険者保険)
加入義務があるにも関らず自動車保険に加入していない人がまだ多数います。統計によると一昔に比べ無保険の車輌の数は随分と減ったようですが、まだまだ安心出来ません。通常過失のある側のLiability保険でこちら側の被害額が補償されるのですが、相手に保険が無いと相手個人に支払い義務が生じます。相手個人から被害額を取る事は難しく、時間がかかったり全額取れない場合もあります。そんな時に備えて役に立つのが無保険者保険です。無保険保険に加入していると、自分側の保険で被害額をカバー出来ます。
無保険者保険には2つの項目があります。
1.Uninsured Motorist Bodily Injury(UMBI)
自分自身と同乗者の治療費、事故によって失った収入などがカバーされます。UMBIは相手が無保険だった場合は勿論、当て逃げの被害にあった場合にも適用出来ます。
2.Uninsured Motorist Property Damage(UMPD)
自分側の車の修理代を補償します。しかし、この保険のリミットは小額($3,500)ですので、全損や大きなダメージの場合はカバーしきれないかもしれません。車輌保険(Collision)に加入していると、UMPDのリミット以上の超過分はカバーされます。車輌保険に加入されている場合には、通常UMPDではなくCollision Deductible Waiver(CDW)に加入します。車輌保険にはDeductible(免責)がありますが、CDWに加入していると無保険者にあてられた場合には免責が免除され、自己負担無しでカバーされます。
無保険である加害者に代わって保険会社が支払いをしますが、では加害者は支払わなくても良いのでしょうか?とんでもありません。保険会社は立て替えをしているだけで、支払った額を加害者に請求します。コレクションエージェンシ-を使う場合も多く、タダでは済まされません。更に保険加入義務違反の罰金、減点、免停などの処分も課せられます。
保険を使うと次回更新時から高くなると思いがちですが、無保険者保険を使っても保険料金は値上がりしません。無保険者保険を使う場合には自分に過失の無い事故の場合ですので、過失が無ければ値上がり対象にはなりません。
この保険はさほど高額ではありません。リミットは対人保険(Liability)と同額にする必要もありませんので、低いリミットを選ぶ事も可能です。年式の古い車で対人,対物保険のみ加入している方も多いですが、UMBIとUMPDの加入を是非お勧めします。