第30回 自損事故 ~ 保険を使うべき?
車輌保険に加入していると、自損で車を損傷した場合にも保険が適用します。相手がいない事故、例えば壁にあたった場合やガードレールにあたった場合などCollisionという項目から支払いがされます。通常Deductibleという自己免責額があり、免責額までは自分で負担し、残りは保険会社が負担します。例えば$1,500.の損傷があり$500の免責の場合、$500は自分で負担し、残りの$1,000は保険会社が負担します。
保険を使える権利があるからと言って使ってしまうと、逆に損する場合もあります。自損事故でも事故歴として残り、自分の運転歴が悪くなってしまいます。ご存知のように事故歴が残ると次回からの保険料が高くなってしまいます。事故、違反歴が多くなると、更新拒否される場合もあります。保険料金を安く保つ為にはなるべく事故や違反をしないようにしなければなりません。保険料金を計算する時には、通常は過去3年間の運転歴を見られます。保険会社によっては5年間、7年間の運転歴を見る会社もあります。そうなると、自損事故のレポートをいれると、翌年だけ料金が上がるのではなく、最低でも今後3年間は保険料金が高くなることになります。
違反の場合は仕方が無いですが、自損事故の場合には自分に選択肢があります。保険を使わずに自分で修理すれば事故歴には残りません。修理の額に応じて保険を使うか、実費で修理するかを判断するのが良いでしょう。それでは、いくらだったら保険を使って、いくらだったら実費で修理すれば良いのでしょうか?
例えば$700の修理で$500の免責ならば、保険会社からは$200しか支払われません。
翌年からの保険料金が$100値上がりするとなると、3年間で$300の値上がりです。そうなると保険を使うと逆に損する計算となります。ここで問題なのは、翌年,2年後,3年後の保険料金がどのようになるか分からない事です。正確に追加料金がわかればそれに応じて保険を使うかどうか判断するのですが、2年後、3年後の料金は予想できません。更に、この自損事故以外にも違反や事故をする可能性もあります。自損事故1回だけなら小さい追加料金でも、更に違反チケットをもらう事によって膨大な追加料金になる恐れもあります。違反チケット一枚、又は人身の無い事故が一回までであればGood Driver割引が適用され、20%以上の割引が適用されます。自損事故で保険を使い、その後違反チケットをもらうとGood Driver割引がなくなり、20%以上の値上がりとなります。さらに違反点数が増えると料率が上がる為にかなりの値上がりとなります。複数の車で加入している場合には差額が数千ドルとなる事もあります。
自分で支払い可能な額であればなるべく保険を使わないようにし、その代わりに免責額を高く設定する事をお勧めします。小さい額で保険を使わないようにするのであれば、免責を高くしても良いと思います。そうする事で保険料金の節約にもなります。