第51回 自動車事故のクレームについて(後編)

前回にひき続き事故処理について説明します。
査定士が修理代を査定しますが、修理工場が提示する修理代と大きく異なる金額で見積もられる事もあります。主な理由としては、
○ 見積もり時に見つからなかった損傷が発覚した場合。
○ Labor費用が修理工場の費用と異なる場合。
○ 純正の新品部品を使った場合とそうでない場合。
○ 修理方法の違い。

このように保険会社からの査定額と修理工場の提示する金額が違う場合には、必ず修理工場と保険会社が同意する金額に達してから修理をするようにして下さい。保険会社が提示する金額以上の修理をした場合には差額は自己負担になってしまいます。通常は修理工場と保険会社で話し合い、折り合いの付く金額が出されます。修理をしている過程で新たに損傷が見つかった場合、同様に保険会社の許可を取る必要があります。

相手に過失がある事故の場合、当然相手の保険会社がこちらの修理代を支払いますが、保険会社によってはかなり時間がかかる場合があります。特に相手が自分の非を認めていない場合には、相手の保険会社も簡単には支払ってくれません。そのような場合には自分の車輌保険(Collision)を使って直す事をお勧めします。自分の保険を使うと保険料が上がると勘違いしている人もいるかもしれませんが、自分に過失が無ければ保険代は上がりません。相手が動くのを待つよりも自分の保険を使って早期に直す方が懸命です。その場合にはDeductible(免責)を自己負担する必要がありますが、この免責額は相手の過失が認められた時点で返金されます。 
 
事故調査員とのやりとりもプロセスの上で大変重要です。事故処理のスピードは調査員によっても大きく違います。調査員は一度に複数の事故処理を行っていますので、なかなか連絡が取れない事もあります。最初に調査員と連絡を取った時に、調査員のEmailアドレスを聞くと大変役に立ちます。お互いの時間が合わずに電話連絡が取れない場合でも、Emailだと簡単に連絡が取れます。調査員は事故の状況を聞く際に会話を録音する事も多くあります。録音する時には予め承諾を得ると思いますが、英語に自信の無い人は間違った証言を避ける為にも慎重に行ってください。多くの保険会社で電話での同時通訳サービスを利用していますので、英語に自信の無い人は日本語の同時通訳を頼んでみて下さい。

事故処理は保険会社によってやり方が違い、事故の種類によっても手続きが異なります。不明な点があるときにはAgentにお問い合わせ下さい。