第67回 医療保険:Explanation of Benefitsって何?
医療保険を使って治療を受けると必ず保険会社からExplanation of Benefits(EOB)という用紙が送られてきます。“This is not a bill”と書かれている事もよくありますが、これは請求書ではなく、保険会社のクレーム報告書です。このEOBに含まれる情報は、医者、病院、検査会社(以下“プロバイダー”と呼びます)の情報、治療を受けた日、治療(検査)内容、プロバイダーからの支払い請求額、保険会社の規定支払い額、本人の負担額などが書かれています。この表を見るといくらの請求がされて、いくら自分で負担すべきが一目でわかるようになっています。Deductible(免責)がある保険に加入されている人は、今までに支払った免責の総額なども書かれていますので、いつから保険が適用されるかも分かるようになっています。
EOBを見ても分からないから、と見ない人も多いですが、そんなに難しくはありません。プロバイダーからの請求額、割り引き額、保険会社支払額、契約者負担額の所を見て保険が支払われているかどうかの確認さえしていれば、後はプロバイダーからの請求書と照らし合わせるだけです。各保険会社によって表現の仕方が少し異なりますが、書かれている内容は同じです。
このEOBは保険契約者とプロバイダーの両者に送られます。プロバイダーはこのEOBを見て請求書を保険契約者に送付します。しかし、実際に受け取る請求書に間違いがある事も多くありますので、実際に自分でEOBとプロバイダーからの請求書を照らし合わせて確認する事をお勧めします。プロバイダーはEOBが届く前に請求書を出す事もあり、保険が全く適用されていない額で請求する事もあります。間違って支払ってしまう人もいますが、必ずEOBを見てから支払いするようにして下さい。一度の訪問で複数の請求がされる事もよくあります。例えば、Office Visit, Professional Service, Lab-Testなど3項目で請求された場合は、3つの全てに支払いがされているか確認して下さい。
万が一保険が適用されない場合にもEOBが送付されてきます。その場合には保険が適用されない理由も書いてあります。よくある理由としては、プロバイダーからの書類不備、保険会社から契約者に質問をした事の返答が無い、保険の適用外の治療をした、免責に達していないなどです。保険適用外の治療以外の理由であれば、その理由に対して応答すればまたクレームが処理され、新しいEOBが発行されます。
EOBの見方が良く分からない場合には、保険会社やエージェントにお問い合わせ下さい。