第40回 新HSA制度について

2006年12月20日にブッシュ大統領がサインしたHealth Opportunity Patient Empowerment Act of 2006によって、HSA(Health Savings Account)のルールが新しくなりました。HSAの事は以前に紹介しましたが、もう一度簡単に説明します。

HSA口座は医療費に備えて貯めておく為に開設します。口座を開設する為にはHSA用の医療保険に加入しなければなりません。HSA用の医療保険は通常よりも免責額が高い為、保険でカバーしない部分をHSA口座から支払うのが目的です。HSA口座に入金する金額は、IRAのように税金控除がある為に節税対策としても大変人気があります。更に口座内の利子に対する税金も繰越され、医療費として引き出す限りは税金がかかりません。

今回変更された内容を簡単に紹介致します。

1.2007年度の入金上限額:個人$2,850、家族$5,650.
  (2006年度は個人$2,700、家族$5,450.)

2.2007年度より途中加入でも一年分の上限額が入金可能。
(以前は加入する時期によって月割り計算されていた。例えば、以前なら6月1日より加入した人は50%、今回からはいつ加入しても100%入金可能)

3.医療保険の免責額に関係無く上限まで入金可能。
  (以前は免責額か上限額のどちらか低い方までだった) 

4.以前のFSA、HRA口座から一度に限り年間上限額までHSA口座に移行が可能。

5.IRA口座から一度に限り年間上限額までHSA口座に移行が可能。

これらの改定により、保険会社もHSA用のプランを増やしたり、新規発表すると思います。America’s Health Insurance Plansの調べによると、HSAは2004年には50万人足らずの加入者が2005年3月には100万人、2006年1月には300万人に達したようだ。今回の改定により一層加入者が増えるのは間違い無いと思います。HSAは個人用でもグループ用でも設定可能です。プラン内容、HSA口座の種類など多様にありますので、じっくりとエージェントと相談してお決め下さい。