第68回 自分の車を他人に貸す場合の注意点

自分の車を他人に貸した場合にも保険が適用されるかどうかという質問をよく受けます。殆どのポリシーでは適用されるのですが、条件があったり、カバーしないというポリシーもあるので要注意です。確実な答えは各自の保険会社に問い合わせて確認して下さい。保険のポリシー内容や州法によっても違いますので、一般的な注意点をご紹介します。

多くのポリシーでは、Permissive Driver(自分が許可した運転者)による事故をカバーします。車の所有者の保険が第一保険として扱われ、リミットを超えるような大事故の場合は運転者の保険にクレームする事になります。運転者が無保険の人であれば、リミットを超えるような大きな事故になったら大変です。運転者に責任のある過失事故であれば、運転者に支払い義務が生じますが、支払い能力が無い場合には車の所有者に責任がくる恐れもあります。

保険ポリシーによっては、Permissive Driverが運転した場合には、対人、対物保険のリミットが州の規定する最低リミットとなるものがあります。例えば登録運転者が対人1人につき$250,000.一事故につき$500,000.のリミットの保険に加入していても、他人が運転した場合には、対人1人につき$15,000.、一事故につき$30,000.となります。これをDrop-Down Limitと呼びます。このようなポリシーに加入している場合は、運転する人が十分な保険に加入しているかどうか確認した方が良いでしょう。

もう一つの心配点は、自分の車を他人が運転して損傷を与えた場合です。車輌保険(Collision)に加入している人は、殆どの場合他人が運転して損傷した場合にもカバーします。免責金額(Deductible)を負担するだけで修理費はカバーされます。しかし、車輌保険に加入していない人は要注意です。運転者が個人的に修理代を負担する義務がありますが、支払い能力が無い場合には問題です。「車輌保険が無いなんて知らなかった」と言われるかも知れませんし、修理代負担に関して問題になる事も多々あります。

結論として、私は他人に車を貸すことをお勧めしません。責任問題に関して、運転者と所有者で関係がまずくなる恐れもあるでしょうし、知り合いに請求する事も出来れば避けたいですよね。更に言えば、他人の車を運転するのも出来るだけ避ける方が良いでしょう。その車が保険に加入しているかどうかも分かりませんし、どのようかカバー内容かも分かりません。どうしても貸したり借りたりする場合は事前に保険内容を確認するようにして下さい。